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現在、女流画家協会や一水会で活躍中の洋画家・宮原麗子さんをお招きしてお話を伺いしました。静物画と風景画を中心に、あたたかな色彩で誠実に対象物を描き出す画家のご体験と作品についてお話をお届けいたします。

プロフィール
長野県生まれ。女子美術大学洋画科卒業。個展多数、現代女流展出品。親子三人展。紺綬褒章受賞。作品収蔵/彫刻の森、諏訪市美術館、市立岡谷美術考古館、他。現在、女流画家協会委員、一水会会員、信州美術会会員。
2006.6/12よりART BOX GALLERYにて個展

創造的な仕事がしたいという強い意志
父は画家(高橋貞一郎)でしたので、子供の頃から外に一緒に写生に行くなど、絵を描くことに親しんでおりました。よく父には「もうちょっとだな。」と言われては一生懸命描いていた少女時代が思い出されます。父は絵に対して厳しい人でしたが、強制的なところは全くなく自由な考え方の持ち主でした。私自身も小さい頃から画家になると決めていたわけではなく、高等学校を出てから一度会社勤めをしたこともあります。ですが、言われるままの仕事をやることに充実感をおぼえず、やはり創造的な仕事がしたいと強く思っていましたので、美大に入学しました。在学中から一水会と女流画家協会へ作品を出品しはじめ、その後は自然と絵の道を志すようになりました。尊敬する画家として、父として
一番影響を受けた人はやはり父ですね。父は、1937年に渡仏しパリで絵画制作をしておりました。戦争が始まってしまったので帰国しましたが、短い滞在中に、数多くの作品を制作していたようです。私も父の画集の絵の題材となったパリの数々の場所を訪ねてみましたが、絵と同じように今でも美しい景色は変わらず、そのまま残っていました。父は明治生まれの人ですが、明治の人は文化と教養という面でとても豊かだったように思います。父はピアノを弾いたり、音楽に合わせてダンスを踊ったりしていました。また、書に詳しかったり、語学が堪能であったりと。明治の人達は、自分を高めるために勉強をして研鑽を積むという、やる気がある人が多かったのかも知れませんね。それが真の実力なのだと思います。美術公募展への出品、絵画制作の意欲と継続
学生時代からこれまでずっと美術公募展に出品をしてきましたが、継続していたからこそ絵を続けられたと思います。美大卒業後は、私立学校で美術教師としてしばらく教えていたこともありました。結婚後は、転勤があったり、子育て等でなかなか活動できないのではないかと言われますが、それは言い訳になりませんね。やりたければ時間を自分でつくることが可能です。子供が小さいころは、よく家族が起き出すまえの早朝にキャンパスを持って絵を描きに出かけましたよ。また、転勤した先々で、自宅を解放して絵画教室をやってきました。身近にあるものを絵に描き続けたい
風景画と静物画を中心に描いております。時間はどんどん過ぎていきますので、自分にとって身近なものをできるだけ多く描いていきたいという気持ちがあります。昔から50号くらいまでのものでしたら、キャンパスを担いで外に出かけて描いておりました。現場主義なのでしょうね。目の前にある景色の中に、土手・草・川の水があれば、動きが感じられるので絵になります。私達の想像以上に、自然は刻々と変化していきますので、絵のモチーフとして花や空を眺めていても興味は尽きません。ヨーロッパへ行ってからは、印象に残った風景と自宅の静物を組み合わせた構成の作品を制作するようになりました。
スペインでの展覧会へ向けて
ひとつの展覧会が終わると「今度は、これが描きたい」とすぐまた思いはじめます。やはり身近なものをこれからも描いていくと思います。私の娘がスペインを拠点に制作活動を行っていて、今年の9月にはマドリッドのギャラリーで私と娘の二人展を行う予定です。今はそれに向けて作品制作に取り組んでいます。

1984年のヨーロッパ旅行以来取り組んでいる風景と静物を組み合わせた作品は、時に神秘的な時に温かな静寂を感じさせてくれます。この機会にご高覧下さい。作品一覧
けしと枯れ花 参考作品
自宅のアトリエにある、けしの花とドライフラワーを描いた静物画。台に敷かれた赤い敷物が印象的。温かで華やぎのある作品です。

アトリエの一隅 参考作品
水彩とパステルで上記の作品を描いたものです。たくさんの花が咲き、差し色である敷物の緑や椅子のブルーが全体の雰囲気を引き締めています。

アネモネ2 \393,750/油彩
油彩画の上にパステルを使って描いた宮原独特の技法による作品。色とりどりのアネモネが白い百合やブルーの花と描かれています。色彩のバランスが絶妙で穏やかな花の佇まいが感じられます。

アーティストが表現する
  静物・生物/年鑑

さまざまな卓上のドラマ。忘れられないイメージ。息づく生命力、存在感。「SEIBUTSU」では「静物」「生物」をテーマに展開する、現在活躍中のアーティストと作品を紹介しています。

宮原麗子さんのお父様は高名な画家、弟さんも画家、娘さんもスペインで活躍する画家。そしてご主人も独学で個性的なジュエリーをデザイン・製作されているというアーティスト一家です。「美」を追求する家族には、純粋で、厳しい仕事に対する誇り高い意識が流れているように感じました。会期中に来廊された方々の中には、宮原さんの昔の教え子で今では日本画家として活躍している女性もいっらしゃいました。その方は、当時を振り返って、宮原さんの厳しいけれど独創性に満ちた美術クラスが今でも忘れられないと語っておられ、印象に残りました。

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