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2007年第17回ART BOX大賞展において受賞したアーティスト3名(グランプリなし・準グランプリ3名)の展覧会を開催しております。準グランプリに輝いた伊藤治郎さんに作品や今後の展望についてお聞きしました。
プロフィール
1971年 兵庫県生まれ 第1回 亜細亜アート展 入選 第20回 上野の森美術館・日本の自然を描く展 入選
2008.1/20よりART BOX GALLERYにて個展
ARTBOX大賞展 準グランプリ受賞にあたって

私の絵は、外部に向かってインパクトを与えるタイプではなく絵の内側に惹きつけるタイプなので、昨今の公募展の傾向からすると評価されにくいと考えていましたが、今回このように大きな賞をいただいて、喜びとともに今後の制作活動に向けての強い励みとなっているところです。
ART BOX大賞展に応募した理由をお聞かせください。絵画教室で基礎を学んだ後、自分の世界を表現する絵を描き出して、ある程度の作品数が仕上がった頃に雑誌でART BOX大賞展を知りました。賞のみならず、受賞者が個展を開けるという点も魅力でした。また、自分の絵の意図や背景について文章で説明できる機会があったことも要因のひとつです。
作品制作のテーマや制作意図をお聞かせください。
花や静物を主題にした作品が多いですが、このような主題の中に生きる喜びや愛を表現することを常に心に置いています。 制作にあたっては、谷崎潤一郎が「陰翳礼賛」で述べた日本の美意識−沈み込んだ闇から繊細に浮かび上がる明るさを楽しむ心−、あるいは、私の好きな小津安二郎監督の映画作品にみられる静的かつ簡潔でありながら多様な世界、こういったものを土台にしながら自分の感性を大切にして表現することを心掛けています。
これからの展望をお聞かせください。
現状の絵に満足することなく、少しずつ自分の既存のものを壊しては新しいものを創り出していきたいと考えています。そして、自分の心をしっかり磨いて、見る人の心を落ち着かせ安らぎを与えるような絵を、さらには幸福感を与えるような絵を描けるように努力していきたいと思っています。

ART BOX大賞展について
ART BOX大賞展は、新人アーティストの登竜門として意欲的なアーティストのサポートを目的とする公募展です。今回は、第17回の同展にて準グランプリに輝いた伊藤治郎さんの受賞を記念した企画展です。
次回 は'08.6.30応募締切
※月刊ギャラリーに紹介されました。

静謐−落花椿 \630,000-

 この絵は、谷崎潤一郎のいう陰翳礼讃の世界と茶道の詫びの精神に触発されて描いたものです。
 静かで落ち着いた空気が流れる床の間は、薄暗がりに広がる「永劫不変の閑寂」の世界を表現しようとしたものです。
 かつて利休が秀吉を自邸に招いた時に、庭の朝顔をすべて切り取り、茶室に朝顔を一輪だけ生けて朝顔の美しさを凝縮したという故事があります。花入れの手前の首落ちした一輪の椿は、その精神に想いを馳せて、かつて
花入れに生けられていた姿、さらには樹上で咲き誇っていた姿を観る人に想起させ、生命の美しさや存在の確かさを感じてほしいという思いを込めました。
 また、掛軸に描いた、辻芸人の奏でる音色に聞き入る
老人と眠り込んでいるように見える青年は、ゆったりと穏やかな時の流れを表現しようとしたものです。
                     伊藤治郎


金魚と桔梗 \262,500-
黒をバックにすることで、金魚と桔梗が浮き立ち、とても美しい作品になっています。
椿 \63,000-
花入れに生けられた一輪の椿が日本の美を物語っているようです。

伊藤さんの作品からは清閑な空気が感じられ、私たちの心を落ち着かせてくれました。 伊藤さんのますますのご活躍を期待しております。

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