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現代日本のクラフト刊行を記念して、現在個展を中心ににご活躍される工芸家:伊藤達皇さんを迎えお話をうかがいました。漆芸という日本の伝統工芸技術を活かしながら、独自の感性で現代的なジュエリーを作り出す伊藤さんご自身の体験や作品について貴重なお話をお届けいたします。

プロフィール
東京都出身。昭和女子大学生活美学科卒業。在学中に漆芸家:尾長保氏(日展評議員・日工会常任理事)に師事。1993年富山県展/初奨励賞。松屋銀座、三越など全国で個展。2003年国際宝飾展出品の際、黒柳徹子さんに作品贈呈。

ジュエリー制作を始めたきっかけを教えて下さい
始めは大きな漆のパネル画を描いていましたが、体力的に続けるのが難しくなり、漆を使ったお茶道具である棗(なつめ)や香合など、だんだん小さな物を作るようになりました。そして、行き着いたのがジュエリーです。 作品制作ついて教えて下さい
例えば、今回出品したジュエリーは琥珀の上に漆で加色していったものですが、形や色合い・文様などは、その場のイメージや気分によって変化します。フォルムは手で追加したり、削ったりしながら自分が思うままに作っていきます。私の場合、図面はなくフリーハンドで絵付けをしていくので下絵なども描きません。 テーマやインスピレーションについて教えて下さい
テーマは「宇宙」です。縛られない、自由なものを作っていきたいです。そして自分が生きている中で目にしたもの、感じたものを制作に反映させて作品を生み出しています。アイディアは日常生活の中にあります。新聞や雑誌など目に入ってくるものや日常の会話から、外に出かけた時に目にする自然の草花など…漆芸家:尾長保氏との出会いについて教えて下さい
大学時代に生活美学科に在籍し建築を主に学んでいたのですが、平面で直線的、そして色がない世界に窮屈さを感じました。ちょうどその頃に、尾長保先生と出会ったのです。先生に師事した期間は4〜5年ですが、蒔絵や螺鈿など、漆芸に関する技法を学びました。 影響を受けた作家や作品はありますか
影響を受けた作家は尾長先生だけです。また以前、アフリカを訪れたときに、現地の女性の鮮やかなファッションやアクセサリーなど「原色の世界」に感動しました。また、あちらの女性は大振りのイヤリング・ネックレス・ブレスレットを必ず身につけています。素材は様々で金属や木、ビーズなど、カラフルです。現代の感覚を伝統的な技法で表現する事について
漆は黒と赤の色で、お盆やお椀などとても地味なイメージがあります。それをアレンジ次第で、どこまで現代風にできるかという可能性に挑戦していきたいです。伊藤さんにとって「ジュエリー」とは?
身体の一部にとけ込むようにして身につけてほしいものです。 ファンの方はどのような人たちですか?
幸いにリピーターが多く、高校生から90歳くらいの方まで幅広い年齢層の方々に支持していただいております。帽子やストールにつけるブローチを買ってくださる男性もいらっしゃいます。今後の展覧会の予定をお聞かせ下さい
今年の秋に、銀座松屋で個展を開きます。松屋での展覧会は、今年で10周年を迎えます。是非みなさんにも来ていただきたいです。
■会期:2005年10月12日(水)〜18日(火)
■会場:銀座松屋 7F:美術サロン ※終了しました

今回の出品作品は、「宇宙の神秘」がテーマ。色彩などは純日本的でありながら、ディテールに現代性を活かし、伊藤達皇独自のジュエリー世界を創造している。
螺鈿のブローチ
緑色に光る美しい貝の螺鈿細工が印象的。キラキラした貝と黒い漆とシルバーの組み合わせが、シャープな印象のジュエリーです。

掲載作品について
2003年の国際宝飾展に出品した際、黒柳徹子さんがこの作品を非常に気に入って下さったので、差上げました。手のひらよりも大きなブローチですが、何度か黒柳さんは首もとにつけて、テレビなどへご出演されました。

現代日本のクラフト/年鑑
人間国宝から現在活躍中の工芸家まで、130名の作家による「美」と「技」の響宴。多彩なジャンルを一同に収載した本書からも作品をご覧頂けます。

斬新で独創的なジュエリーを作り出す伊藤達皇さん。日本の伝統的な漆を使って作られた作品は、緑や赤といったはっきりした原色の色彩や、柔らかいフォルムからどことなくエキゾティックな趣があります。伊藤さんが異国で見たもの、感じたものなど、ご自身のフィルターを通して様々な要素が入ったオリジナルジュエリーが生まれるようです。

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