十年前の童子は、匂えるような女性に成長しました。初々しい娘達は母となり、新しい生命を愛しみ、育み、そして又……新たな童子が誕生します。その一つ一つの生命を見つめ、包まれ、導かれながら、無垢なる女性像を描いて参りたいと想います。

裸婦はポーズそのものに、その対象とは別のメッセージ性を持っています。

イタリアで想を得て、彩色した壁画を背にした裸婦を描いたシリーズ。40歳代の後半のころの作品である。

いつも気負う事なく、普段から身近にある風景を描く事。結果、それが自分自身を見つめ、現在を表現していくリアリティに繋がっていってくれたら……女性を描くという行為も、私にとっては、その中の重要な要素の一つです。

写実の自画像から幻想の女性像へと展開してきました。目には見えぬものの、いつも自分の内にある切実な思いをテーマにしてきたつもりです。その点では“私のリアリズム"と言えるでしょう。この2点は各々風や大地のイメージをまとっています。過去現在未来にわたる不変のものと、そこに束の間存在する移ろいゆく生命……鑑賞者の思いと交差することが出来れば幸いです。

遙か宇宙の彼方、銀河系のさるバイオスフィア、そこに「ゴッドピア」という天人の世界を想定しました。インスピレーションとイマジネーションの世界です。天男天女を描き続けて20年、昨年からキャラクターアートというスタイルを確立して、それに基いて、新たな夢の味付けを行っております。モチーフがはっきりしておりますので、「ゴッドピア」の神秘性をさらに開拓して魂を逍遥させている今日この頃です。